基本となるモノトーンベースのクリスタルです。色数はそれほど多くないのですが、クリスタルにコーティングを施したものが大量にあります。まずはノーマルカラーを。そのあとコーティング別に見ていくことにします。
ノーマルカラー(コーティングなし)
基本のノーマルカラーのクリスタルです。コーティングのないものの中からクリア(無色透明)、オパール、グレー、ブラックのバリエーション。だいぶ廃盤になってしまってますね…
色名と由来
- クリスタル Crystal
[鉱物] ”Crystal”には「結晶、水晶、クリスタルグラス」と色々意味がありますが、「無色透明の水晶」を選びたいと思います! - ホワイトオパール White opal
[鉱物] 地色が白いオパール。というより、半透明の乳白タイプのクリスタルは ”オパール” がつけられています。 - ホワイトアラバスター White alabaster 廃番
[鉱物] 雪花石膏のこと。石膏(Gypsum)の中でも粒子が細かく白いため彫刻や彫像に使われてきた。 - チョークホワイト Chalk white 廃番
[鉱物] 白亜のこと。正確には岩石、石灰岩の一種。柔らかく簡単に粉になります。 - ブラックダイヤモンド Black diamond
[鉱物] 実際のブラックダイヤは不透明の漆黒です。 - シャドウクリスタル Shadow crystal 廃番
[鉱物] 上の項目で「クリスタルは無色透明の水晶」と定義したのに色付きのクリスタルが! ライトグレーのクリスタルガラスにしておきます… - ジェット Jet
[鉱物] 黒玉。モーニングジュエリー(喪服時に着用)に使われた歴史あるジェム。正確には鉱物ではなく植物由来で、樹木が長い年月をかけて変化したもの。 - ライトグレーオパール Light gray opal 廃番
[鉱物] グレーのコモンオパール。じゃなくて、単純にライトグレーの乳白色クリスタルかな。 - グレージュ Greige 2010-AW
[染色] フランス語由来の色名。未染色の毛織物の色味の中で灰色味の強いもの。 - グラファイト Graphite 2017-SS 廃番
[鉱物] 石墨。元素のC(炭素)でダイヤモンドと同じ。鉛筆の芯などの原料になります。
※2023年7月現在、貴和製作所の商品ページに掲載のないものは廃番としています。
ホワイトも透明度の異なる3種類があります。
コーティングの種類
ソロバン型のクリスタルビーズには、表面に様々なコーティングを施したものがあります。見る角度によって色を変える虹色加工をしたもの、うっすらと別の色を被せたり光沢を加えたもの、金属の輝きをのせたもの。様々な効果がありバリエーション豊かすぎです!
偏光
オーロラ(AB)コーティング Aurora(AB) Coating
“AB” は”Aurora Borealis” の頭文字で、「北極光」「オーロラ」を意味しています。
クリスタルの表面に虹色に輝くコーティング(真空蒸着)を施したもの。クリスチャン・ディオールとのコラボとして開発されたとのことです。*1
基本はクリスタルの1/8面にコーティングされていますが、「2X」というクリスタルの全面にコーティングを施したものがあり、かなり派手です笑。
下の2枚の画像は、左側に通常のABコーティング、右側がAB2Xの全面フルコートのものです。全然印象が違います。
AB2Xでより顕著なのが、地色が白いとオレンジ系で、地色が黒ければ黒いほどブルー系の色味になるのが面白いです。
シマー エフェクト Shimmer Effect
オーロラ(AB)コーティングに似ていて新しいコーティングに「シマー」があります。コーティングではなく「シマーエフェクト」と呼んでいますね。
『ベースの色が透ける薄さの偏光エフェクト』と説明にあります。
虹色の色変化が控えめになって、より透明感のあるコーティングです。地色を打ち消すことなく明るい印象に仕上がってます。
光沢
サテン コーティング Satine Coating
クリスタルの表面に金属的な輝きを放つようにコーティングを施したもの。落ち着きのある色合い。
クリスタルの1/8面にメタリックグレーの金属的なコーディングが施されていて、コーティングの境界はあいまいです(エアブラシで吹き付けたような感じ)。ホワイトオパールでそのようすがよくわかります。
ジェット(不透明の黒クリスタル)にサテンコーティングを施したものは「ヘマタイト」と呼び名が変わります。鉱物のヘマタイト(赤鉄鉱)に似てるからですね。
シェード コーティング Shade Coating
クリスタルに少しの色味と光沢を付け加えるコーティングがあります。それがシェード系のコーティング。
- クリスタルシルバーシェード Crystal Silver shade
- クリスタルブルーシェード Crystal Blue shade
- クリスタルゴールデンシャドウ Crystal Golden shadow
ちなみに、日本語にすると「銀の陰」「青い陰」「金の影」ってところでしょうか。シェード=陰は『光が遮られることによって見えなくなった暗い部分』で、シャドウ=影は『光が遮られることによって生じるものの形や模様』とのことなので、前者は『木陰』とかで後者は『人の影』とかですかね笑。
ノーマルカラーのシャドウクリスタル(ライトグレー)に比べて、ブルーシェードとシルバーシェードのほうが輝きがあるのがわかります。(新作が出るとそれ以前の似たカラーは廃番へ…)
シャンパンコーティング Champagne Coating
昔あったコーティングで今はもう見かけない…
あまり光沢は感じないです。お酒のシャンパンのような淡いゴールドカラーがかぶせてあります。カラークリスタルにコーティングすると元より明るい色調になります。
金属
金属のようにみえるコーティングを施したクリスタル。光沢系のコーティングと違って、地色を完全に見えなくしてしまう鏡面加工。
コーティング部分はクリスタルの1/2面(上下に半分)で「2X」は全面コーティング。
シルバー系
- クリスタルCAL Crystal CAL(Comet argent light)
読みは「クリスタルキャル」“銀色の彗星” という意味。コーティング面はシルバーで、加工されていない部分はシルバーグレーに見える。 - クリスタルメタリックシルバー Crystal metallic silver 廃番
ガンメタカラー。 - クリスタルシルバーナイト Crystal silver night 2011-AW
ガンメタのコーティング面が1/4(片面の半分)になっているクリスタル。ハーフコーティングのものより輝きに動きがあって綺麗。上下の向きを気にしなくていいのも良いです。サテンコーディングのメタルバージョンみたいな感じ。墨を流し込んだみたいで美しいクリスタル。 - クリスタルライトクロム Crystal light chrome 2016-AW
シルバーより暗く、ヘマタイトより明るい。輝きが強く、CALとメタリックシルバーのいいとこ取りしたようなコーティング。クロムは元素の一つ(Cr)で銀白色で光沢がある金属。
ブロンズ系
- クリスタルドラド Cystal dorado
ドラド はスペイン語で“黄金” の意味。クリスタルの表面に金色のコーティングを施したもの。ゴールドというよりブロンズカラーで、クリスタル部分はグレーに見える。 - クリスタルメタリックライトゴールド Crystal metallic light gold 2010-AW
2Xのみ。やっぱりゴールドというよりはブロンズカラーに見える…
【ジェットドラドとジェットナット】
別物としてそれぞれ売られていた二つ。両者を見比べても違いはなく。
ジェットのときだけサテンコーティングをヘマタイトと呼ぶように、ドラドがナットになった説に一票。
金具のボルトとナットの「nut」なのか、木の実(ナッツ)の「nut」なのか悩みました。でも、ジェット(黒玉)が鉱物ではなく木の化石である褐炭の一種であることから ”木の実” が正解なんじゃないか説にさらに一票!笑。
ゴールド系
- クリスタルオーラム Crystal aurum 廃番
金色のコーティング。クリスタル部分はブラウンに見えます。aurum=金。元素記号Auは金ですから。 - クリスタルローズゴールド Crystal rose gold
ピンクゴールドのコーティング。クリスタル部分はグレーに見えます。(ブラックダイヤモンドにコーティングしたみたい) - クリスタルメタリックサンシャイン Crystal metallic sunshine
オレンジ色がかったゴールドがコーティング。クリスタル部分はライトオレンジに見える。他のメタルコーティングと違い、透明感を感じる光沢があるので軽やか。太陽の光をイメージした輝きがとても綺麗。
メタルコーティングも時代とともに、色合いも輝きも奥行きのあるものになり、新しい洗練されたクリスタルになっています!
*1:雑誌「ビーズフレンド」の特別付録の冊子に記載