念願のというか、これこそずーっと作ろうと思っていたもの。スワロフスキークリスタルのソロバン型ビーズを使った実物色見本。
なぜ作れずにいたか。それはアップデートをどうすればいいのか悩んでいたから…毎年新色が出るので、追加しやすい方法を探していたのが一つ。
台紙にサンプルを縫い付ける方法だと、追加時の台紙スペースの問題と、色同士を比べたり組み合わせてみたりが難しい。
もう一つは、色名をどう添付するか。インデックスみたいなのに手書きするのか、紙にプリントして切り貼りするのか。
なかなか決定打がなかったのが、ようやく納得いく方法がみつかったので取り掛かることに。したのはいいけど、煮詰めてる間にかなりの色数が溜まってしまった。終わるかな、これ…
ワロフスキービーズのちょっとした歴史
出来上がったものを見る前に、色見本に使うスワロフスキービーズの歴史、変遷を簡単に振り返ってみます。
梅花がスワロフスキービーズを買い集め始めたのが、たぶん2006〜7年頃から。
〜2008年
商品名・ブランド名は「スワロフスキー」「SWAROVSKI」
スワロビーズの代名詞#5301はソロバン型と呼ばれていました。(形がソロバンの玉みたいだからでしょうね。)
2009/10年秋冬シーズン(2008年)〜
商品名は「クリスタライズ」「CRYSTALLIZED」
ブランド名が『CREATE YOUR STYLE with CRYSTALLIZED(TM) Swarovski Elements』となりました。
ここでもう「スワロ」と呼ぶことができなくなってしまいました。
2010年春夏シーズン(2009年)〜
#5301ソロバン型がリニューアルされます。
#5328「クシリオンビーズ XILION Bead」となって順次切り替わっていきました。
ファセット(カット面)が増えることで反射面が増えて輝きが増したかな。プラス鋭角な角が減ってビーズらしくなったかも。
この後、色々な効果のついたクリスタルが登場して「コーティング」ではなく「エフェクト」と呼ぶようになっていったような気がします。
2022/23年秋冬シーズン(2021年)〜
2021年11月発売の秋冬シーズン新作から「貴和クリスタル」となりました。スワロフスキー社が撤退したためです。詳細は貴和製作所のwebサイトにて知ることができます。*1
ブルー系スワロフスキービーズの色名と意味(由来)
まず最初に取り掛かったのは、大好きなブルー系のクリスタルビーズ。
極力クリスタルビーズの色や輝きに影響を与えない材料で実物見本を作る。色名はラベルライターで印字。
- ライトアゾレ Light azure
[人文] フランスでは azure(仏語でアジュール)は青い紋章を表す色で、青い石を意味するアラビア語に由来するそうです。 - アクアマリン Aquamarine
[鉱物] 宝石のアクアマリン - サファイア Sapphire
[鉱物] 宝石のサファイア - ミディアムサファイア Medium sapphire 廃番
- ライトサファイア Light sapphire
- ダークサファイア Dark sapphire 廃番
- コバルト Cobalt 廃番
[鉱物] 最古の青い顔料としてガラスや絵画使われてきた、コバルトブルー
- カプリブルー Capri blue
[地名] イタリアのナポリ湾にある島、カプリ島。鮮やかな青い海、あの有名な青の洞窟があります。 - インディコライト Indicolite 廃番
[鉱物] ブルートルマリンの中でも特定の色合いのものをインディコライトと呼ぶ。けど、色はあまり似ていない。ブルートルマリンのほうが近いかも。 - ブルージルコン Blue zircon
[鉱物] 宝石のジルコン(ブルー)
- インディアンサファイア Indian sapphire 廃番
[鉱物] これ、由来がわからない…インドのサファイアなのか、北米ネイティブアメリカンのサファイアなのか…調べてもわからなかった。
インド産のサファイアといえば、カシミール地方のコーンフラワーブルーが有名ですが色が全然違う。あるいは『インドの星』スターサファイアか。スターサファイアならまだ色が近いかいかもしれない。あとは、インドの藍染から由来したインディアンブルーという色名がある通り、藍染の色を指しているのかも。 - モンタナ Montana
[鉱物] おそらくモンタナ原産のサファイアのことかなと。モンタナ・サファイアがあります。
- ターコイズ Turquoise 廃番
[鉱物] 宝石のターコイズ - ラベンダー Lavender 廃番
[植物] ラベンダーの花の色、だけどもっと紫だと思う… - ダークインディゴ Dark indigo 2009/10-AW*2 廃番
[染色] 濃いインディゴ染めの色。マメ科のインドアイを使って染めます。
- デニムブルー Denim blue 2012/13-AW
[染色] デニム生地の色。デニムはインディゴ染めの糸と白糸で織り上げた生地。 - ライトターコイズ Light turquoise 2013/14-AW
[鉱物] “明るいターコイズ” なのに透明なのはなんでだろう…
- アイスブルー Ice blue 2025-SS
[自然] 直訳すると氷の青。氷河の氷が太陽の光を吸収反射させてこんな青になる。
- マジェスティックブルー Majestic blue 2019-SS*3
[人文] マジェスティック(Majestic)とは英語で厳かな、威厳のある、などの意味。他には海軍艦、カンパニュラの花、スポーツ用品メーカー…さあどれだ。「荘厳な青」でいいかな… - ミントアラバスター Mint alabaster 廃番
[鉱物] そのまま、ミントカラーのアラバスター(→参照アラバスター) - パシフィックオパール Pacific opal 廃番
[地名] 太平洋をイメージしたカラー。サンゴ礁のイメージかな? - カリビアンブルーオパール Caribbean blue opal 廃番
[地名] カリブ海の青 - エアーブルーオパール Air blue opal 2010-SS 廃番
[自然] 日本語で言えば ”空色”ってところでしょうか。
※2023年7月現在、貴和製作所の商品ページに掲載のないものは廃番としています。
コーティングクリスタルビーズ
通常の何もコーティングのないノーマルクリスタルに対し、クリスタルの表面に何かしらのコーティングが施されたもの。様々なタイプがあります(多すぎてどう分類していいかわからなくなる…)
下の画像は、ライトアゾレのコーティング別ビーズ。左からシャンパン、サテン、ゴールデンシャドウ、AB。ベースは同じライトアゾレなのに全然色合いが異なります。
オーロラとメタリック
大まかには2系統あります。ABやシマーなどのオーロラ(虹色)系のコーティングと、サテンやゴールデンシャドウなどのメタリック(金属)系のコーティング。
特殊コーティング
さらにはシルバーや金、メタリック+オーロラなどゴージャスな加工、ブレンドカラーのクリスタルビーズなどがあります。
例えば下の画像は、アクアマリンCAL、ターコイズバミューダブルー、ターコイズヘリオトロープ、サファイアヘリオトロープ、サファイアLt.ヴィトレル、クリスタル/モンタナブレンドです。
特殊コーティングも多彩すぎて…頭を整理するために次回は基本のクリスタル、モノトーン系のカラーを作成します。
それにしても、ずっと仕舞っておいたとはいえ、10年以上経っているのに輝きが失われていないのはすごいと思いました(語彙力なし)。
※色名の由来に関して、下記の書籍を参考にしています。
フランスの伝統色 [ パイインターナショナル ] - 楽天ブックス