モノトーンのスワロフスキービーズの記事で、シルバーやゴールド、オーロラやサテンといったコーティングを取り上げました。ここではさらに複雑なコーティングを紹介します。
分けた基準は、既出のコーティングは無色透明でないカラークリスタルにも適用されている点。今回のコーティングは、無色透明なクリスタルにコーティングで色をつけていると考えてもらえればわかりやすいでしょうか。
名前が「クリスタル〜」となっているものは、透明クリスタル+コーティング(エフェクト)であると判断していいと思います。
この特殊コーティングがあるからこそ、スワロフスキークリスタルビーズの多彩さが際立つのだと思います。
今となってはかなりレアなビーズもあります。華麗なる特殊コーティングの世界をご堪能ください!
オーロラ、虹色のコーティング
極北のオーロラのような虹色の光がみられるコーティング。ABコーティングが有名ですが(最近ではシマー)、そのほかにもオーロラ光のようなコーティングのクリスタルビーズがあります。あまりにも微妙な違いというか、パッとみた限り違いが分かりません笑。どこまで写真で差を出せるか…やってみます!
クリスタルグレイシャーブルー Crystal glacier blue
意味は「氷河の青」で、冴え冴えとした青をイメージするとちょっと違う。クリアで淡いブルーとオレンジ色が見えます。夏の氷河の雪解け水の青と、太陽の光のようなイメージ。
クリスタルムーンライト Crystal moonlight
そのまま「月の光」です。実は一番好きなコーティング。AB加工のような華やかさが抑えられ光沢が前面に出たことで、ほんとうに月の光のような静謐な輝きです。かすかに色づいています。黒バックでは淡いブルーがあらわれてムーンストーンみたいです。
クリスタルトランスミッション Crystal transmission
“transmission” には伝達、伝送、送信、透過、といったような意味があります。どう理解したらいいでしょうかね… オーロラのような幻想的なものではなく、現代的なニュアンスのカラフルさとでもいうか…実物もオーロラカラーの中に強いピンクやブルーがはっきりでていて、ちょっとサイケっぽくはある。
参考に通常のオーロラとの違いを。上がクリスタルシマーで、下がクリスタルAB。
右からムーンライト、トランスミッション、グレイシャーブルー
。
オーロラコーティングの美しさは、スワロフスキービーズの真骨頂と言ってもいいですよね!
カラーコーティングの色とツヤ
ゴールデンシャドウやブルーシェードのような、クリスタルに色のついた輝きを追加するタイプ。元々色のついているカラークリスタルとは異なり、表面のコーティングで色付けしているので、透明感や輝きが増しているような気がします。
クリスタルブランディ Crystal brandy
クリスタルチリペッパー Crystal chili pepper
クリスタルコッパー Crystal copper
クリスタルアストラルピンク Crystal astral pink
クリスタルレッドマグマ Crystal red magma
左から順番に、ブランディ、チリペッパー、コッパー、アストラルピンク、レッドマグマ。なぜかレッド・オレンジ系が豊富です。
意味としては「ブランデー」「赤唐辛子」「銅」「星の(ような)ピンク」「赤いマグマ」です。アストラルピンクは、オレンジにピンクの煌めきがとても綺麗なクリスタルです。
下の画像は、左がブランディで右がゴールデンシャドウ。
クリスタルアンティークピンク Crystal antique pink
クリスタルライラックシャドウ Crystal lilac shadow
アンティークピンクは紫に見えます。ライラックシャドウは部分コーティングのため、多色天然石みたいでとてもきれい!
クリスタルルミナスグリーン Crystal luminous green
クリスタルパラダイスシャイン Crystal paradise shine
クリスタルイラデサントグリーン Crystal iridescent green
オレンジ系に次いでなぜかグリーン系も多い。左から、ルミナスグリーン、パラダイスシャイン、同2X、イラデサントグリーン。
意味は「光放つ緑」「楽園の輝き」「虹色に輝く緑」ってところですかね…
日本語商品名が「イラデサント」になってますが、イリディセントと呼んだ方がわかりやすいですね。意味は虹色とか玉虫色。玉虫色は緑がベースになっているので、そのまんまだと思います。メタル系のところで出てくる、スカラベグリーンとの違いは透明感。美しいクリスタルビーズです!
大好きなブルー系がないのが寂しい…
メタリックなのにカラフル!
大きく分けて2系統あります。一つは、クリスタルの外側に単色の金属系のコーティングが施され、内側に色が加えられているもの。もう一つは、コーティングするメタルカラーそのものに多色性があるもの。
どちらもクリスタル内で様々な色が反射し輝きます。見る角度によってクリスタルが透明であることがわかります。
クリスタルロザリン Crystal osalyn
クリスタルロザリンゴールド Crystal rosalyn gold
クリスタルCALとクリスタルオーラムのコーティングで、内側がロザリンカラーになっています(クリスタルがロザリンなわけではないのです)。画像中央のものは、クリスタルロザリンにAB(オーロラ)加工。
クリスタルバミューダブルー Crystal bermuda blue
クリスタルヘリオトロープ Crystal heliotrope
バミューダ海域の青色かな? ヘリオトロープは紫色の花。
どちらも外側はドラド(ブロンズカラー)のようなコーティングで、内側にバミューダブルーは緑〜青、ヘリオトロープは青〜紫の色が見られます。
クリスタルボルケーノ Crystal volcano
クリスタルスメリディアンブルー Crystal meridian blue
ボルケーノは火山、メリディアンは子午線、正午の、という意味だそうで。
外側はシルバー、内側にボルケーノはオレンジ〜赤、メリディアンブルーはピンク・オレンジ・ブルーが見えます。(画像には写りませんでした…)
クリスタルメタリックブルー Crystal rmetallic blue
その名の通り青い金属光沢です。外側をブルーのメタリックカラーで半面コーティングと2X(全面コーティング)があります。
クリスタルタバック Crystal tabac
意味は「タバコ」。外側のメタリックカラーが、ゴールド〜ブロンズ〜ブルーと多色で、内側は特に色付けされてないように見えます。
クリスタルカセドラル Crystal cathedral
カセドラルの意味は「大聖堂」。メタリックカラーはシルバー〜ゴールド〜カッパー。こちらもタバックと同様に外側の色が反射して見えているようです。
クリスタルサハラ Crystal sahara
サハラ砂漠のサハラですかね… メタリックカラーにクロム〜イエローゴールドってところでしょうか。
クリスタルヴィトレルミディアム Crystal vitrail medium
クリスタルスフィンクス Crystal sphinx
ヴィトレルの意味は「ステンドグラス」、スフィンクスは…やっぱりあのスフィンクスしかないですよね。色とりどりで神秘的ってことで。
ヴィトレルは虹色(若干グリーンが強く)に、スフィンクスはゴールド〜ピンク〜ブルーが強めに見えます。
クリスタルスカラベグリーン Crystal scarab green
スカラベは古代エジブトで聖なる甲虫とされたコガネムシの一種。なんだけど、フンコロガシの仲間。古代人はフンを転がす虫をなぜ崇めたんですかね?→ “大きな球体を作る姿に神秘性を見出し、球体を太陽に見立てて太陽神と同一視した” らしい…古代人の発想ってしみじみすごいと思う。
色としてはいわゆる玉虫色なんですけど、甲虫としてのスカラベは玉虫色じゃない…それはまた別の虫で。聖なる虫、虹色の虫、両方とも神秘的だから一緒でいいか的な?
クリスタルの話に戻すと、これまでのメタルカラーと大きな違い。それはクリスタルのカット面ごとに色が変わるのでなく、一つの面で断続的に色が変化していること。古代人もすごいけど現代人もすごい!!
ホワイトオパールスターシャイン White opal starshine
ホワイトオパールスカイブルー White opal sky blue
これだけは、ベースがクリスタルじゃなくてホワイトオパールなんですが、ネーミングが特殊だったのでこちらに。スターシャインはイエローゴールドのメタルコーティング、スカイブルーはブロンズカラー。どちらも境界があいまいな部分コーティングになっています。
バミューダブルーなどのコーティングの内側に色が出るタイプは、ビーズだと効果がわかりにくいため(撮影でも苦戦しました)今現在はほぼ発売されることがありません。フォイル面が大きいジェムタイプで美しい効果を見ることができます。