Blue Amber-Real blue amber is rarely seen
アンバー(Amber)=「琥珀(こはく)」は生物起源の宝石です。有機鉱物というカテゴリーに入ります。遥か昔、有史以前の植物の樹脂が硬化したもので、長い年月をかけて宝石となりました。
琥珀の色
植物の樹脂が元なので、色合いは赤、ブラウン(褐色)、オレンジ、黄色、グリーン、乳白色といったところです。赤にしてもブラウンにしても深い温かみのある色が特徴だと思います。
ウィスキーのようなブランデーのような、こっくりとした色合い。グリーンも緑!という感じではなく、明るいオリーブグリーンのような色。
琥珀の色が樹液の色であることから、派手な色合いの琥珀があったとしたら人工的に色付けした可能性が高いものと思います。
red amber レッドアンバー
ブレスレット。石と違って身につけても冷たくなくてとても軽いんです。
ポーランド産
琥珀色
これぞ琥珀色という色合いですね。日本産らしい落ち着いた色だと思います。国産ヒスイは高くて買えなかったけれど、琥珀なら手が届くのも嬉しいです。
岩手県久慈産
太陽の輝き、サン・スパングル(sun spangle)
琥珀は樹液に閉じ込められた虫、石、植物など様々ものを内包します。同じように内部に含んだ水滴や空気が琥珀内に亀裂(クラック)を生じさせ、光を反射します。その現象を”太陽の輝き(sun spangle、サン スパングル)”と呼んでいます。「グリッター」と呼ぶこともあるようです。
まるで金色のスパンコールが中で輝いているようにも見えます。ただこちらも熱処理で人工的にクラックを作り出すことが可能なのです…
sun spangle amber グリーンアンバー
サン・スパングルがいっぱいのグリーンアンバーです。落ち着いたグリーンに金色の輝きがとっても綺麗です。琥珀にもグレードがあるので予算と相談です。まあ、梅花はほぼ即決に近かったです…(琥珀専門店アクビックス 楽天市場店にて購入)
リトアニア産
青い琥珀、ブルーアンバー
青い色の琥珀、ブルーアンバーと呼ばれるものがあります。ドミニカ共和国産のもので、濃い青紫色をした非常に珍しい琥珀だそうです。梅花は写真でしかみたことがありません。
市場で見ることのできるブルーアンバーは、見た目普通の琥珀です。ですが、紫外線が当たると青白く蛍光するのです!
blue amber ブルーアンバー
ドミニカ共和国産(2.37ct)
滑らかな樹脂光沢です。UVライトを当てると…
青く光って幻想的。うっすらと内部のすじ模様も見えます。
加工ブルーアンバー
人工的に加工されたブルーアンバーです。リトアニアで本格的に染色・製造されてるものは「サファイアブルーアンバー」赤いものは「ルビーアンバー」と呼ばれているようで高級品扱いです。
その他、お手頃価格で手に入るものはたくさんあって、もとの琥珀の良し悪しや色つけの技術などピンキリのようで… 正直なところ、加工物に関しては自分が気に入ればそれでいいんじゃないかなって思います。
梅花が入手したブルーアンバーはポーランド産です。どう染色しているのかは不明です。
調べていてわかったことは、素材は天然ものですが「琥珀」ではないということでした。琥珀(Amber)ではなく、コーパル(Copal)です。
コーパルの中には琥珀と見分けがつかないものもあるようですが、鉱物学的には別物です。
琥珀は主に絶滅した針葉樹の樹脂が化石化したものであり、植物の化石である褐炭とともに見つかるのに対し、コーパルは熱帯樹の樹脂で生きた木や木下に溜まった堆積物の中から見つかることが多いとあります。
・ルビーのような蛍光色の赤
改良処理をおこなったコーパル。日本で最も多く販売されているチェリーアンバーです。イターナショナルアンバー協会により天然琥珀の認定は不可となりました。
・カリビアングリーンアンバー
改良処理をおこなったグリーン発色の強いコーパルです。日本では人気ですが、インターナショナルアンバー協会により天然琥珀の認定は不可となりました。
(琥珀専門店アクビックスさんより引用しました)
「サファイアブルー」と呼ばれているものも同じですね。コーパルは有機溶剤に溶けるという性質をもっていることから、染色が容易なのではないかと思います。
数百万年〜数億年という長い時間をかけて琥珀になるのです。コーパルは数万年です。数万年だって決して短いわけではないですが(人類が誕生してからより長いですし)琥珀の時間とは比較になりません。
「琥珀」としたほうが売れるし売りたい気持ちもわかるけれど、やっぱり「琥珀」ではないものです。流通名をもう少しどうにかしてほしいのと、正しい情報を載せて販売してほしいと思います。お店の姿勢や方針次第なところがあるので買う方もお勉強が必要かもですね。